第十三回 酒屋万来文楽 《芸能に見る忠義の形 前編》 伽羅先代萩 御殿の段



第十三回 酒屋万来文楽 《芸能に見る忠義の形 前編》
伽羅先代萩 御殿の段

令和2年11月28日(土) 15:00開演(14:30受付開始・開場)
白鷹禄水苑 宮水ホール

全国有数の「酒どころ」であると同時に、文楽の源流「傀儡師」発祥の地としても知られる西宮造り酒屋において身近に文楽にふれていただこうという「酒屋万来文楽」。吉田文雀さんにご尽力いただき、2008年にスタートしてから13回目となる今回は、12月19日開催の《酒都で聴く居囃子の会》と共に「芸能に見る忠義のかたち」をテーマとし、我が子の犠牲を耐えてまで忠義を貫いた母の心情を描く「伽羅(めいぼく)先代萩 御殿の段」を取り上げました。

全体
大夫三味線
冒頭

主君の暗殺を恐れて乳母の政岡が自ら食事の支度をする、通称「飯炊き(ままたき)」と呼ばれる場面では、茶道のお点前に則ってご飯を炊く所作が人形によって丁寧に演じられます。主君への忠義心と我が子への愛情が、淡々とした中にも細やかに描写される名場面ですが、その繊細な動きと共に、ちょっとした所作に様々な思いが込められていることを、ごく間近で見ることによって感じることができ、新たな発見がありました

まま炊き
まま炊き
後半

その後、もう一つの大きな見せ場、我が子の死を目の当たりにしても動じる気配を見せなかった政岡が、一人きりになると人目を忍びながら我が子の亡骸を抱き、嘆き悲しむ「クドキ」の場面となります。最初は「よう死んでくれた、でかしたな」と武士の子として忠義を全うした子を褒め称える乳母としての言葉だったのが、最後には「死ぬるを忠義といふはいつの世からの習わしぞ」という、母としての悲痛な叫びがで終わります。

クドキ
クドキ

当時の武士の倫理観として最も大切とされた、「忠義」を重んじる立場と、母としての本音、政岡の心にはどちらの思いも錯綜しており、この複雑な心理描写が、この役が文楽に先行する歌舞伎においても最大の難役の一つといわれてきた所以なのでしょう。本日は品位と気迫、情愛も兼ね備えた和生さんの政岡にごく間近にふれることができました。
人間が演じリアルに感情が表現される歌舞伎と比べ、浄瑠璃にあわせて名人が遣う人形の、ある意味抑制のきいた政岡の苦悩と嘆きに、むしろより一層胸に迫る思いがしました。

文楽公演に続く後半では、熱演直後の演者の皆様に、一言ずつコメントをいただいた後、吉田和生さんに、演者自ら、演じる上での苦労や、演目にまつわる興味深いエピソードをお聞きしました。



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