第十一回 酒屋万来文楽 嫗山姥 廓噺の段



平成30年10月27日(土) 15:00開演
会場 白鷹禄水苑 宮水ホール 

西宮は文楽の源流「傀儡師」発祥の地といわれ、文楽と大変縁の深い町です。同時に西宮は全国有数の「酒どころ」でもあります。この「酒」と「文楽」という西宮を語るに欠かせない二つの要素を、造り酒屋において同時にお愉しみいただこうというのが、「酒屋万来文楽」です。第十一回目にあたる今回は、後の「頼光四天王(らいこうしてんのう)」の一人、坂田金時の誕生秘話を語る近松門左衛門作の時代物、「嫗山姥 廓噺の段」を取り上げました。

今回上演したのはそのキリの部分で、冒頭、煙草売りの源七の登場から始まりますが、この源七は実は父の仇討のために、世を忍ぶ坂田蔵人時行(さかたのくらんどときゆき)の仮の姿であるという設定です。源七が大納言岩倉兼冬の館で求められるままに自慢の小唄を披露していると、そこへかつて傾城であった時行の元妻、八重桐が偶然通りかかります。聞こえてくる小唄が自分と時行しか知らないものだと気づくと、策を弄してなんとかして御殿へと入り込みます。

しかし八重桐を見てあわてて隠れる時行のよそよそしさに腹が立った八重桐は、元夫への面当てに、自らが傾城だったころの時行との過去を語り始めます。かつて廓で繰り広げられた時行を巡る派手な喧嘩沙汰を、おもしろおかしく物語る、俗に「しゃべり」といわれる場面が外題の由来となっています。義太夫の演奏と人形の所作で、廓での騒動が目の当たりに表現され、大きな見どころ、聴きどころとなっています。

後半では仇討をし損なったことを知った時行が無念のあまり切腹してしまうのですが、その魂が胎内に宿った八重桐は超自然的な力を得、敵を相手に立ち廻りを見せます。終盤、鬼女に変じた八重桐が「ガブ」という、時折顔が上下にぱっくりと裂ける恐ろしい形相に変わる場面がありますが、怪異を扱う作品でみられる人形ならではの表現です。後にこの八重切の胎内から怪力をもって生まれてくる男子が金時であるという物語の流れですが、一見荒唐無稽な物語が、語りの面白さや文楽人形ならではの表現によって生き生きと展開し、見終わって「物語のヒーロー、金太郎はこうして生まれたんだ」と納得させられてしまうのも、文楽特有の魅力だと思います。

例年通り文楽公演に続く後半の「文楽の手ほどき」では、和生さんに、演じる上での苦労や、演目にまつわる興味深いエピソードをおうかがいしました。頭に仕込まれた糸一本の繊細な操作によって、表情が微妙に変化し、人形に命が宿る様子を改めて間近で見せていただきました。観客からのからの素朴な疑問にも、一つ一つ丁寧にお答くださる和生さんのお姿がとても印象的でした。

 



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