第十四回酒都で聴く居囃子の会 伊勢物語逍遥-和歌に誘われて-「隅田川」





第十四回酒都で聴く居囃子の会 伊勢物語逍遥-和歌に誘われて-「隅田川」

古くから芸能と縁の深い酒都・西宮の造り酒屋において、地元在住の能楽師による謡と囃子で、能特有の音楽性と言葉の美しさを楽しむ「居囃子の会」。十四回目となる今回は、「隅田川」を中心に、『伊勢物語』に取材した演目に焦点をあて、和歌が紡ぐ能の世界にふれてみたいと思います。

能は様々な先行文芸を取り込んで室町時代に確立されますが、中でも和歌文学とは深い縁があります。一首の歌から生まれる物語があり、また多くの歌を綴り合せて紡ぎ出される世界あり、謡の中にちりばめられた詞には、幾重にも重なる意味や心象が織り込まれています。一方平安時代に成立した『伊勢物語』は、和歌を中心に話が展開する「歌物語」の代表で、在原業平に擬せられる昔男の一代記が名歌で綴られています。中世、伊勢物語は和歌の世界でとても重要視され、その言葉の意味や内容を詳しく説明した本が数多く書かれました。能においても、単に典拠となる題材の世界そのものを芸能として再現するのではなく、当時の伊勢物語の解釈をふまえ、さらに作者の深い読みによってイメージされた世界が再構築されているといえます。

今回取り上げる「隅田川」も、伊勢物語の第九段・東下りにある「名にしおはばいざ言問はむ都鳥我が思ふ人はありやなしやと」という一首の和歌をふまえて構想された能ですが、そこには業平の東下りと我が子を探し求め遥々ここにやってきた母親の姿が重ねられ、妻を恋う業平と子を思う母の心情が二重写しとなって、伊勢物語の世界が別次元に再構築されています。

今回前半では、業平東下りで詠まれた和歌が随所にちりばめられた「杜若」、また「筒いつの」の和歌で知られる「井筒」からもお聴きいただき、伊勢物語の和歌に誘われた能の世界にふれていただきたいと思います。また地元にもゆかりの深い業平の出自や恋の遍歴を語る講談や、渡し船を発端にした古歌の応酬がおかしみを誘う狂言「舟船」もあわせて上演いたします。

本編終演後の番外編として、禄水苑庭園での演奏も交えた「初紅葉の小宴」も開催いたします。庭の紅葉が色づくまではまだ少し間がありますが、盃を片手に秋の情景を織り込んだ謡の一節とともに、ひと足早く季節の風趣をお楽しみください。


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